前回同様、公演終了後の時間はクイズに答えるタイム。今回も問題は難解で、私も全問正解はさすがに、無理でした(笑)
さて、クイズを終わらせ、劇場内へ入ると、舞台上には、アクァータの「恋してる」の時のスパンコール衣装、その隣にアリスタ、アティーナ、アクァータ、アラーナ、アデッラ、アンドリーナの順にお姉さん達のカツラが展示されていました。そして、司会として入場してきたのは、セバスチャン役の赤間清人さん。
では、いつもの通り、セリフ形式でレポしていきたいと思います。注意書きをしておきますが、記憶とメモを頼りに書き起こすものなので、完全再現ではございません。また文章的な読みやすさを重視して意図的に変えることもございますのでご了承ください。また、敬称も省略させていただきます。
赤間「みなさま、本日はご来場いただき、まことにありがとうございます。本日、ミュージアムの館長を務めさせていただきます、セバスチャン役の赤間清人ともうします。まず、みなさまに、お願いがございます。携帯電話の電源は、たとえ完全防水であっても、電源をお切りください。また、上演中の撮影、録音は方により堅く禁じられておりますので、ご遠慮ください。…はい。みなさん、ききましたよね?開演前のアナウンスは、セバスチャンがつとめることが多いんです。また人が変わったときに、注目してみてくださいね。では、さっそく、解説員の方をお呼びしましょう!お願いしまーす!」
そこに入場してきたのは、衣装のタケイさんと、ヘアメイクのヤマダさん。お二人とも、アリエルの担当をされている方とのことでした。早速解説が始まります。
赤間「リトルマーメイドという作品には、衣装さんがお二人、床山さん…ヘアメイクさんが三人という体制で上演されています。では、タケイさんにお聞きしましょう。衣装のスタッフになるために必要な技術や資格はありますか?」
タケイ「私たちは、本番中は衣装の手伝いをしていますが、その後はメンテナンスなどの作業をするので、縫製の技術は必要になってきますね。スタッフになる人は服飾系の専門学校の人が多いです。」
赤間「なるほど、美大とかで縫製などの技術を得て、スタッフになれるんですね。」
タケイ「私の場合は美大出身ですが、一度社会経験もあってのこちらなので、そういう意味でもスムーズに仕事ができているようにも思います。」
赤間「この衣装も一から作られたものなんですよね?」
タケイ「もちろんそうです。私が作ったわけではありませんが…。この衣装は、アリエルのお姉さんが「She’s in love」という曲で着ているものなのですが、スパンコールで鱗を表現しています。こうしてみると普通のドレスに見えるのですが、後ろの部分が長くなっていて、先はヒレのようになっています。踊っている最中は仕掛けでうしろに引っかかっているのでわかりづらいのですが、魚のような形になっているんです。」
赤間「この衣装、踊るとキラキラして本当にきれいですよね。」
タケイ「リトルマーメイドは世界でも公演されていますが、この衣装は四季オリジナルになっていまして、海外はこの鱗の部分がメタリックに作られています。ですが、実際海外の方と日本人とでは体型もちがうというのもあり、大きめのスパンコールでこのように表現するようにしました。」
赤間「はい、ではここで…みなさん、問題とか解きましたよね?答え合わせをしましょうか!このスパンコールはいくつ使われているんですか?」
タケイ「なんと、5500枚です!これでよく踊っていらっしゃる…な…と(笑)デザインはボブクローリーさんのもので1960年頃に未来的デザインとして考案されたものなのですが、こちらはパポラパーズとして作られています」
赤間「知らない単語ばかりでてきて、僕も精一杯なのですが…」
私自身タケイさんが何をおっしゃっているのか、理解できませんでした(笑)内容たぶん間違っていると思いますが、聞こえたワードをそれらしくならべておきました。
赤間「この衣装に関して、何かお客様から質問はございますか?」
とつぜんの客席への振りに、客席沈黙(笑)
赤間「ハイ、お疲れ様でした~!(笑)では、次にヤマダさんにお話をお聞きしましょう。床山さんという仕事をするのに、必要な資格や勉強はありますか?」
ヤマダ「刺客は必要ありません。もともと美容師でこの仕事をされる方もいますが、私は入ってからヘアメイクを勉強しました。私はもともと特殊メイクを勉強していました。」
赤間「なるほど…実際入ってみて、必要になった技術とかはありますか?」
ヤマダ「髪型についてはもちろん、髪飾りなどの装飾品に関しても床山の担当分野なので、裁縫はできないとちょっと困りますね。」
赤間「そうなんですね。このカツラ、私たちが汗をかくと洗ってくださいますよね?乾かした後はやっぱりセットしなおさなくてはなりませんよね?」
ヤマダ「そうですね。リトルマーメイドの場合、カラーや毛が抜けてしまったりするので…短くなった毛は抜いて、新たに毛を植える作業が必要です。なので、この演目に関しては、洗ってすぐにセットができるものはないですね。」
赤間「僕、皆さんの作業が本当に早くて、いつも見とれてしまってます。では、これらのカツラについて解説をしていただけますか?」
ヤマダ「このカツラは、海の中のアリエルのお姉さんたちの衣装なのですが、一人一人に特徴があります。アデッラとアンドリーナのもののタイプは、私たちはワッフルと呼んでいたり…全体としては2種類のコンセプトがあって、アリスタとアティーナのタイプはラグビー型、アクァータとアラーナのものは円状にワンポイントがあるのが特徴です。アデッラとアンドリーナは髪型を丸く上にあげたものになっています。それぞれのトップにある跳ねた毛は、海の中での浮遊感を表現しています。」
赤間「さて…みなさん。カツラについてもクイズがありましたね?このカツラは、何の毛を使って作られているのでしょうか?答えをお願いします。」
ヤマダ「これらのカツラは、人毛でできています。」
赤間「当たった方?」
客席に問いかける赤間さん。そして先ほどと同じく、カツラに関して質問がないか声をかける赤間さん。すると、一つ質問が。赤間さんが直接マイクをもって聞きに来てくださいます。
赤間「かためるのに、どれくらいスプレーを使うのですか?という質問です。」
ヤマダ「これらのカツラはあまり固めないように作られています。ハードスプレーを使ってしまうと、毛の感じがなくなってしまうんです。なので、弱めのスプレーで、市販のものを半分くらいは一度で使いますね。」
と、ここで衣装とカツラの解説コーナーは終わり、次のコーナーへの転換へ。その間に舞台監督の小野崎さんが登場し、舞台に関する解説をしてくださいました。
赤間「リトルマーメイドという作品は1幕が始まってから、1幕終わりまで、緞帳が一度もおりません。それはスピーディーな場面転換による演出のおかげなのですが、そこの点について舞台の秘密をお話しいただきましょう!」
小野崎「場面転換の動きは音楽に合わせて、電気による自動のものと、舞台スタッフの人力のものの2種類があります。」
赤間「アリエルのお気に入りの石像とかも…電気、ですよね?」
小野崎「はい。」
赤間「そうなんです。僕なんか、アンダーザシーでヤドカリみたいな大きい貝を女性キャストが引っ張って、僕が乗って移動する所があるじゃないですか、あそこ、その人が引っ張ってるもんだと信じてたんです(笑)痩せないといけないなぁ…なんて腹をくくっていたんですが、電気だと聞いて安心しました(笑)転換の指示なのですが、どうだしているんですか?」
小野崎「タイミングが決まっているところもあるんですが、泳ぐのにフライングがあるじゃないですか。あそこは…、そう、特にセバスチャンさん。お話しする相手がみんな泳いでますよね?(笑)泳いでいる方は動きに合わせてセリフを言わなくてはならないので…セバスチャンのセリフによって動きのキュウを取っています。」
赤間「責任重大ですね(笑)さて、フライングの話が出てきたところで…次はフライングのコーナーです!では次のコーナーはこちらのお二人に説明していただきましょう!」
そして登場したのは、アリエル役の齋藤舞さんと、フランダー役の山本道さん。ここで赤間さんからコメントを促されます。
山本「そうですね……(齋藤さんにむかって)初めてつられた時どうでした?」
齋藤「(山本さんに向かって)…どうでした?(笑)」
山本「…最初は、これで泳ぐのか?できない……と不安でいっぱいでしたね。」
齋藤「どこに重心をとればいいのかわからないですよね。自分でその点を調整しないといけないので…でも、今は楽しくおよげてます。高いところが苦手だったんですけどね(笑)」
赤間「一番高いところでどれくらいなんですか?」
山本「10メートルくらいは…」
赤間「二階席の方と目があっちゃいそうですね。」
齋藤「「パートオブユアワールド」では5メートルくらいまであがるんですが、その時は二回の真ん前くらいまで行くイメージです。」
赤間「そうなのですね…そんなフライング、重心をとるのが難しいとのことでしたが、稽古場にフライングの装置はありませんよね?どう練習しているのでしょう?」
齋藤「えっと…」
舞台上に設置された道具を説明しようとして、言葉の出てこない齋藤さん(笑)
山本「バー(笑)」
齋藤「そうです!バー!!」
赤間「これですが、普段は…?」
ここで山本さんが実演してくださいます。普段の使いかたは左手をバーに添え、姿勢を正して、いわゆるバレエの動きを練習する動きなのですが、フライングのけいこのやり方として実演してくださったのが、両手でバーを掴み、その腕で体重を支えるようにしてバー全体に体を預けるようにして、そのまま足を延ばし、浮いた状態で泳ぎます。
山本「この姿勢を保つのだけでも大変なんですよね」
赤間「どこにきますか?」
山本「腹斜筋が鍛えられます。それにウエストも細くなりますね。シェイプアップにも効果抜群です(笑)」
赤間「だそうですよ(笑)ご家庭にバーがある方?(笑)」
もちろんゼロ(笑)
山本「赤間さん、やってみます?(笑)」
赤間「まぁまぁまぁまぁ…(笑)」
逃げるように一歩下がる赤間さん(笑)ここで小野崎さんを呼んで、フライングの実演に入ります。その場で軽くつるし、体のキープを説明しながら実際に齋藤さんがやってくださいました。
齋藤「何もしないと、泳いでいるときの角度が保てないんです。」
山本「そのキープが難しいんですよね。」
齋藤「お腹をいれると、こんな風に……まっすぐになってます?(笑)」
客席拍手。
山本「最初はこれができないんですよね…。」
赤間「本番は、こんな苦労を見せないように、演じているんですよ~」
ここで次の準備のために、アリエルが退場。すると赤間さんが気が変わったのか…バーの前に立ち…
赤間「やってみようか(笑)」
山本「(笑)やったことないひとがやると、どうなるのか…(笑)」
そしてがんばって実演し始める赤間さん
赤間「こわい…!」
そばでアドバイスをする山本さん。
山本「膝を前に!」
赤間「……出ません!!」
とギブアップ(笑)
赤間「頭が重いです。」
山本「そこをキープが難しいんですね。」
赤間「僕はフランダーにはなれない(笑)」
ここでクイズの答え合わせをし、アリエルの準備ができたので、実際の音入りのシーンの実演です。実演シーンは、アリエルがフランダーと一緒に洞窟に入ってくる、「パートオブユアワールド」の前のシーンでした。一連の動きを終えた後、
齋藤「パパはわかってない……(笑)」
拍手。台詞をどこまでいえばいいのかまよっちゃってるアリエル、可愛かったです(笑)
赤間「これはどちらのシーンですか?」
齋藤「アリエルの洞窟に泣きながら、フランダーと来るところです。あ、それじゃわからないか。「パートオブユアワールド」の前のシーンです。」
山本「ほぼ180度ですごいなぁと…あれ、油断したら(前に体が)いっちゃう。」
齋藤「下降の方が難しいんですよね」
とここで、上手の袖から可愛いタツノオトシゴが半分顔を出してきます(笑)
赤間「あ…待ちきれない子が(笑)では、次は、海の生き物たちをご紹介しましょう!」
ここでエイ、クラゲ、タツノオトシゴのパペットが音楽と共に登場し、その動きを披露してくださいました。一通り疲労が終わり、パペットたちが退場すると、解説役として、黒田果穂さんが登場。
黒田「魚として命を吹き込む、という意味で、自分を最小限にして表現することを目指しています。本番中はファティマという青い恰好をしていて、少しでも背景に溶け込み、できるだけ魚だけが見えるようにしています。」
そしてエイが再び登場し、細かい解説をしてくださいます。
黒田「このエイは、この作品の中で一番軽いパペットなのですが、とっても扱いが難しいんです。頭の先をうまく扱わないと、エイでなくなってしまうんです。」
ここでエイを操っていた、劉昌明さんと、中村智志さんが再登場。二人に向かっての質問タイム。
赤間「難しいところや、エイの好きなところを教えてください。」
中村「ゆらゆら…ふわふわ…を意識してます。シュッとすると旗みたいになってしまうのでそこも注意していやってますね。ただ、驚いたときにアクセントをつけるのが、難しいけど好きです。」
劉「コツは……まず……エイに、心をのせます……エイに、なります(笑)…つなぎめ、ハリの感覚を意識しながら…海の中で泳いでいるように…意識します。」
赤間「こういったプロ意識の中でやられているんですね。ありがとうございました!」
劉さんと中村さんが退場。そして…
赤間「さて、お次はクラゲさーん!」
クラゲの二人が披露しながら登場、その間に黒田さんの解説が入ります。
黒田「浮遊感を出すために、このように勢いよく上下する動きをします。布をふわっとして、クラゲのあの質感も表現しています。重さは8キロ近く(確か5キロだったはず(笑))ありまして……あ、お二人の息が切れてきたので…(笑)」
ここでクラゲさん退場(笑)
赤間「本番中は聴こえない声が聞こえちゃいましたね(笑)」
そして、身軽になった権頭雄太朗さんと、川原信弘さんが登場。お二人からコメントをいただきます。
権頭「本当に、クラゲ重たいんです。初めて稽古したとき、これが一番苦労しましたね。(川原さんに向かって)コツとか…どうです?」
川原「布のところに空気を入れていくようなイメージですかね。」
権頭「あと、回すときに足が絡まると変なことになるので気を付けるようにはしてます。」
川原「でも、絡まるよね(笑)」
赤間「本当のクラゲも絡まりそうですよね(笑)そういう意味ではリアリティが(笑)他に何かありますか?」
川原「重たいですけど、必死にパペットに命を吹き込ませていただいているので…その辺も注目してみていただけたら嬉しいです。」
そして、クラゲコーナー終了で、お二人は退場。そして、お待ちかねの…
赤間「タツノオトシゴさーん!」
待ちきれずに顔を出してしまっていた、あのタツノオトシゴちゃんが登場。黒田さんや赤間さんにめっちゃちょっかいをだしながら、可愛く動きを披露してくれます。
黒田「キュートな動きを出すために、体の関節の間にボールが入っているんです。これで滑らかな動きを実現できています。あと、このつぶらな瞳が、キラキラしていて可愛いんですよ。これ、名古屋にはいないんです。名古屋はエビでやっています。」
そして、ここで一度退場した後、身一つになって戻ってきた、嶺山さんからのコメントタイム。
赤間「随分かわいらしく動いていましたが…(笑)」
嶺山「可愛さをアピールしてました(笑)」
赤間「自分の可愛さをアピールしているんですね(笑)」
嶺山「実は、二匹いるんですけど、それぞれ白目に違いがあるんですよ。さっきの子は少し上目遣いなので、自分の可愛さを分かっている系だな…と僕は勝手に思ってます(笑)」
赤間「何かアピールはありますか?」
嶺山「アピールですか?(笑)間にボールが入っているんですが、動かすときに目から動くように意識しています。」
赤間「ありがとうございました!では、最後に皆さんに登場していただきましょう!」
と出演者が勢ぞろいして舞台上に整列。ここでクイズの答え合わせと、成績優秀者へのサイン入りクリアファイルのプレゼントが行われました。今回の獲得者は四人でした!
そして、ミュージアムイベントは閉幕。緞帳が下りる中、赤間さんが最後まで手を振っていてくださいました。
だいぶ駆け足なレポになってしまいましたが、福岡第2回ミュージアムイベントはこんな感じでした!公四季さんがレポートを上げてくださっているので、こちらの写真を見ながらこの記事を読んでいただくと、より雰囲気がつかみやすいかと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
まだまだ消化しきれていないレポも多いので、頑張って記事にしていきたいと思っています!